CloudflareとFastlyは、現在の市場で最も人気なCDNプロバイダーである。どちらもウェブサイトのパフォーマンスとセキュリティを最適化するためのさまざまな機能を提供しているが、両者にはツール選定する際に考慮すべき重要な違いがいくつかある。
そもそもCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)とは、複数の場所に分散配置されたサーバーネットワークを介し、効率的にコンテンツを配信するための仕組みである。CDNの主な目的は、多数のエンドユーザーへ高可用性と高パフォーマンスを維持し、安定してコンテンツ提供することにある。
ユーザーがウェブページや画像などのコンテンツをデバイスからリクエストすると、そのリクエストは最も近いCDNサーバーに転送され、CDNサーバーはオリジンサーバーからコンテンツを取得し、ユーザーに返す。このように複数の場所からコンテンツを配信することで、遅延を減らし、コンテンツ配信のパフォーマンスを向上させることができる。
CDNはエンドユーザーに近いエッジロケーションにてコンテンツをキャッシュすることで、コンテンツの配信をより速くより確実にするために設計されている。
ということで、2つのツールを比較形式で紹介する。
特徴
- Cloudflare: CDN、WAF(Web Application Firewall)、DDoSプロテクション、DNS管理など、Webサイトのパフォーマンス最適化のためのさまざまな機能を提供している
- Fastly: 高性能なCDNの提供に注力しており、WAFやDDoS対策も提供しているが、DNS管理システムは内蔵していない
価格
- Cloudflare: 無料プランを提供しており、より高度な機能と高いパフォーマンスは有料プラン(定額制)で利用可能
- Fastly: 柔軟な従量課金モデルで、より多くのカスタマイズオプションが利用可能
ネットワーク
- Cloudflare: 世界中で200以上のデータセンターがあり、大規模なネットワークを確保している
- Fastly: ネットワークはアメリカが6カ所、他で95箇所と小規模だが、高性能な拠点と低レイテンシーに重点を置いている
インテグレーション
- Cloudflare: 大規模な統合ライブラリを用意しており、他のツールやプラットフォームとの統合は容易。WordPressなどのプラグインも用意
- Fastly: 様々なインテグレーション機能を提供しているが、Cloudflareよりは小規模である
CloudflareとFastlyのどちらを選ぶかは、ビジネスの要件と予算で決定される事だろう。
様々な機能、世界中へ広がる大規模なネットワーク、無料プランまたは支払額の計算しやすい定額プランを備えたCDNが良い場合、Cloudflareは良い選択となるかもしれない。
あるいは、より柔軟な価格帯かつ豊富な統合オプションもあり、顧客の拠点がある程度固まっているビジネスタイプで高性能なCDNを探している場合、Fastlyがより良い選択肢となるかもしれない。